国土交通省東京国道と警視庁が「自転車ナビライン」の試行効果を取りまとめる

国土交通省東京国道事務所と警視庁は25日、今年3月から試行してきた交差点内に自転車通行位置を明示する「自転車ナビライン」の効果について取りまとめ、発表しました(via @ur_bike_sato )。

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ドキュメントは国交省のほうにアップされていますが、記者発表資料では次のように書かれています。

<試行結果のポイント>

 ○試行前後における自転車通行位置の調査をした結果、歩道上を通行する割合が減少し、車道の左側端を通行する割合が増加しました。

 ○自転車利用者・ドライバーにアンケート調査をした結果、「ナビラインが見やすい」との評価であり、「ナビラインの設置を今後も進めていくべきである」との意見をいただきました。

引用元: 自転車、ナビラインで歩道から車道へ。ドライバーからも好評価。 | 記者発表 | 国土交通省 関東地方整備局.

試行されているのは、都内の千石一丁目交差点付近(文京区)と、札の辻交差点付近(港区)です。

どちらの交差点でも「車道を通行する自転車が増えた」との結果が出ていますが、実は両者には違いがあります。

まず、千石一丁目上り線。

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千石一丁目下り線。

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そして、札の辻の上り線。

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札の辻の下り線は歩道橋しかないので、割愛しますね。

ここで注目したいのは、歩道上を走る自転車の割合。札の辻では、歩道通行の自転車が減っていないんです。

また、ナビラインの見やすさも、自転車利用者へのアンケートでは、

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千石一丁目のほうが、評価が高いのです。また、自転車の視認しやすさについてドライバーに聞いた結果も、千石一丁目の方が「良くなった」「やや良くなった」と回答した人の割合が多くなっています。この違いは何でしょうね。

自転車ナビラインは、交差点の中における自転車の通行位置を示す表示です。交差点内も左側通行だよ、逆走ダメよ……ということをビジュアルで示しています。しかし千石一丁目と札の辻ではそこに至るまでの道路上の処理が異なっています。

千石一丁目の方は前後の区間に自転車専用通行帯が整備されていて、札の辻には整備されていません。

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この違いは、あるんじゃないかと思います。

そして、最後に注目するのはこちら。

『質問:安全性向上に向けた今回の取り組みを他の場所でも進めていくべきだと思いますか?』

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自転車利用者、自動車利用者、どちらへのアンケートでも、7〜8割は「進めていくべき」と回答していることがわかります。

そしてこのとりまとめが、国道交通省東京国道事務所と、警視庁交通部の連名で発表されていることを見逃さずにはいられません。

ちなみに、今回の取り組みに関わっている「自転車通行環境整備課題検討WG(会長:東京工業大学大学院屋井教授)」には、オブザーバーとして東京都青少年・治安対策本部も参加しています。東京都青少年・治安対策本部は、東京都自転車安全利用推進計画協議会での発言によって『自転車が例外として歩道を通行できるケースについてしっかりと伝える必要がある』というスタンスを取っていることが明らかになったっわけですが(参考PDF直リンク)、今回の国交省および警視庁が発表した取りまとめや今後の政策と、どのようにすりあわせていくつもりなのか、注目したいところです。

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(Gen SUGAI)






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