自転車が品薄の2021〜2022年、買うべきクロスバイクは何か!?

密にならない、ガソリン代要らず、小回りが利く、満員電車からの解放——さまざまな理由で、自転車が注目される昨今。そんな中、初めてのスポーツ自転車としておすすめの存在である「クロスバイク」が、たいへんな品不足に陥っています。

これからクロスバイクを購入しようとしている人は、どうすればよいのでしょうか。

[最終更新:2023/3/2]

※2022年末の時点での最新版は下記からどうぞ


自転車がない! そんな2021〜2022年に買うべきクロスバイクは!?

新型コロナウイルスの流行に伴い「密にならない移動手段」として自転車への注目度が高まっているのは、日本だけはありません。世界で自転車の需要が高まっています。一方、自転車部品の製造を担うアジアの国々は、まだコロナ禍の影響で「フル操業」には至っていません。

自転車に限らずさまざまな製品が、製造の遅れ、物流の遅れなどの要因が重なって品不足になっています。アレも品薄、コレも品薄という状況の中で、自転車だけが潤沢に供給されるということはあり得ません。

自転車への関心と需要が高まっている中、普段使いできるスポーツ自転車の代表格「クロスバイク」もかなりの品薄です。多くの自転車メーカー・ブランドはイヤーモデル制をとっており、通常であれば2021年夏〜秋には「2022年モデル」が発表、そして出荷され始める頃です。

しかし、メーカー・ブランドの中には、2021年秋になってもまだ(注文を受けていたが待たせていた)2021年モデルを出荷しているところもあります。また、2022年モデルの出荷予定も「2022年夏」や「2023年」としているケースがあります。「2022年夏」というのは、必ずしも「2022年夏になるとお店に在庫が並ぶ」ことを意味しません。2021年の11月に予約をすると、2022年の夏に手に入るという意味です。

したがって、特定のメーカーやブランド、特定の製品、特定のカラーにこだわってクロスバイクを購入することが、しばらくの間は難しくなっています。とくに「なるべく早く欲しい」のであれば、「今在庫がある、もしくは比較的早く入荷するもの」で、「予算の範囲内」かつ「サイズが合うもの」を購入することになるでしょう。

そんな状況で存在感を増すのが「コレ買っておけばとりあえず間違いない」という定番モデルの存在です。

「今あるものから買うしかない」という状況でも、この中から選んでおけば、とりあえず大丈夫——今回の記事では、そんな定番モデルを紹介していきます。

GIANT ESCAPE R DISC/ESCAPE R DISC MS

ESCAPE R DISC MS photo_ジャイアント

定番のクロスバイクとして必ず名前が挙がる、GIANT(ジャイアント)のESCAPE R3シリーズ。まず紹介するのは、そのディスクブレーキモデルです。ディスクブレーキは構造上、雨の影響を受けにくいのが特徴。通勤の途中などで雨に降られた際も安心です。とくにこのモデルは、操作が軽い油圧式ディスクブレーキを搭載しています。

軽量な車体とリラックスした乗車姿勢で、毎日乗るのにぴったりな1台です。

なお「MS」と付くバージョンがあり、部品構成と価格が異なりますが、クロスバイクとしての基本的な機能は同じ。パーツメーカーの供給状況がクロスバイク本体の生産数に及ぼす影響をなるべく小さくするため、2つのバージョンがある——といったような感じです。

GIANTが女性向けに展開しているブランド「Liv」からは、小さなフレームサイズと専用パーツ&専用カラーをまとった「ESCAPE R W DISC」も発売されています。Liv版に「MS」仕様はありません。

ESCAPE R DISC 価格:71,500円(税込)→2022年2月1日より83,600円(税込)
ESCAPE R DISC MS 価格:67,100円(税込)→2022年2月1日より79,200円(税込)
Liv ESCAPE R W DISC 価格:71,500円(税込)→2022年2月1日より83,600円(税込)

リンク: 2022 GIANT Bicycles | ESCAPE R DISC MS
リンク: 2022 GIANT Bicycles | ESCAPE R DISC
リンク: 2022 Liv Cycling | ESCAPE R W DISC

GIANT ESCAPE R3/ESCAPE R3 MS/Liv ESCAPE R3 W

GIANT ESCAPE R3 photo_ジャイアント

上で紹介したESCAPE R3の、ディスクブレーキではない(Vブレーキ)仕様です。ディスクブレーキよりVブレーキのほうが軽量で価格も安いので、とっつきやすさという意味ではこちらが少し上回るでしょう。下手な入門用ロードバイクよりもよく走り、そして乗りやすいですよ。

なおこちらにも「MS」と付くバージョンがあり、部品構成が少し異なります。パーツメーカーの供給状況がクロスバイク本体の生産数に及ぼす影響をなるべく小さくするため、2つのバージョンがある——と理解しましょう。

Liv ESCAPE R3 W photo_ジャイアント

GIANTが女性向けに展開しているブランド「Liv」からは、小さなフレームサイズと専用パーツ&専用カラーをまとった「ESCAPE R3 W」も発売されています。こちらは、Liv版にも「MS」仕様が設定されています。

ESCAPE R3 価格:61,600円(税込)→2022年2月1日より71,500円(税込)
ESCAPE R3 MS 価格:57,200円(税込)→2022年2月1日より67,100円(税込)
Liv ESCAPE R3 W 価格:61,600円(税込)→2022年2月1日より71,500円(税込)
Liv ESCAPE R3 W MS 価格:57,200円(税込)→2022年2月1日より67,100円(税込)

リンク: 2022 GIANT Bicycles | ESCAPE R3 MS
リンク: 2022 GIANT Bicycles | ESCAPE R3
リンク: 2022 Liv Cycling | ESCAPE R3 W
リンク: 2022 Liv Cycling | ESCAPE R3 W MS

TREK FX 2 Disc/FX 1 Disc

FX 2 Disc photo_トレック・ジャパン

アメリカの有名スポーツ自転車メーカー「TREK(トレック)」のクロスバイク「FX」シリーズは、しっかりとした作りと質感の高い走りが魅力。「FX 2 Disc」は、油圧ディスクブレーキを搭載した人気のグレードです。

FX 1 Disc photo_トレック・ジャパン

そして「FX 1 Disc」は、ワイヤー引き(機械式とも呼ばれる)のディスクブレーキを搭載した仕様です。油圧式ディスクブレーキよりも操作が少し重たくなりますが、雨の影響を受けにくいというメリットはワイヤー引きのディスクブレーキでも享受できます。

個人的にどちらがおすすめかといえばFX 2 Discですが、予算の都合やそのときの在庫状況などでFX 1 Discしか選べなかったとしても、買って損はないでしょう。

FX 2 Disc 価格:81,400円(税込)→価格改定 88,000円(税込)
FX 1 Disc 価格:68,200円(税込)→価格改定 73,700円(税込)

リンク: FX 2 Disc | Trek Bikes (JP)
リンク: FX 1 Disc | Trek Bikes (JP)

GIOS MISTRAL

photo_ジョブインターナショナル

独特なブルーがブランドのイメージカラーとなっている「GIOS(ジオス)」の定番クロスバイクが、この「MISTRAL(ミストラル)」です。何か際立った特徴があるというよりは、全方位的によくまとまっているクロスバイクと言えるでしょう。パーツやホイールは、価格のわりによいものが使われています。カラーは、ブルー以外もありますよ。

価格:59,400円(税込)→価格改定 64,900円(税込)

リンク: TOURING & URBAN BIKE SERIES – GIOS COLLECTION | JOB International GIOS・BASSO ハイクオリティ輸入自転車

Khodaa Bloom RAIL 700

photo_ホダカ

ホダカという自転車メーカーのオリジナルブランド「Khodaa Bloom(コーダーブルーム)」。「Khodaa」って、ホダカ(hodaka)のアナグラムなんですね。それはさておき、「RAIL 700」も定番クロスバイクと呼べる存在のひとつ。クロスバイクの中でも比較的車体が軽く、普段使いはもちろん週末のサイクリングでもその走りが楽しめます。

また、ライトやスタンドが標準装備されているのもポイントです。

価格:69,960円(税込)→価格改定 79,750円(税込)

リンク: RAIL 700(NEW)|RAIL|自転車|コーダーブルーム

Cannondale Quick 3

photo_キャノンデール・ジャパン

Cannondale(キャノンデール)の「Quick 3(クイック 3)」は、衝撃吸収性能にすぐれたアルミフレームが特徴のクロスバイクです。スマートフォンマウントを搭載するための台座が設けられているほか(マウント自体は別売)、前輪にはスマートフォンに走行距離や速度のデータを送るためのセンサーが標準装備されています。

車体のデカールはリフレクティブ仕様なので、夜間に街の明かりやクルマのライトなどを受けた際はしっかり目立ちます。

価格:93,500円(税込)価格改定 99,990円(税込)

リンク: Quicリンク: Quick 3 | Fitness Bikes | Cannondale

BRIDGESTONE XB1

photo_ブリヂストンサイクル

「XB1」はブリヂストンサイクルが2021年秋に発表したニューモデルですが、基本的な構成は定番的な存在だった従来モデル「CYLVA F24(シルヴァF24)」を踏襲しています。つまり実績十分なクロスバイクです。

作りはオーソドックスながら、質実剛健さと走りの軽さをうまく両立した1台。しかもライト、スタンド、ロック(カギ)、3年間の盗難補償がついてきます。

価格:64,000円(税込)

リンク: エックスビーワン | スポーツ向け自転車 | 自転車 | ブリヂストンサイクル株式会社

関連記事: スポーツ自転車の「不安」や「面倒」を取り除く新型クロスバイク:BRIDGESTONE XB1【インプレ】 – BRI-CHAN

[2021/12/21 追記]
残念ながらXB1の発売が2022年6月の見込みと、大幅に延びてしまいました。
情報源: XB1発売再延期に関するお知らせ|お知らせ 2021|ブリヂストンサイクル株式会社

ANCHOR RL1(油圧式)

photo_ブリヂストンサイクル

ブリヂストンの自転車の中でも、とくにスポーツ走行を意識したブランドが「ANCHOR(アンカー)」です。この「RL1」はANCHORの中でももっともとっつきやすい性格のクロスバイクで、お求めやすく、かつ乗りやすい車体ながら、本格的なスポーツ自転車のエッセンスを味わうことができます。

ワイヤー式ディスクブレーキモデルと油圧式ディスクブレーキモデルがありますが、筆者個人的には操作が軽い油圧式がおすすめです。

価格:72,000円(税込)価格改定 2022年6月1日より80,000円(税込)

リンク: RL1 | ALL LINE UP | アンカー | ブリヂストンサイクル株式会社

RITEWAY SHEPHERD CITY

photo_ライトウェイプロダクツジャパン

日本で企画・開発された、日本人のためのクロスバイクが「RITEWAY(ライトウェイ)」の「SHEPHERD CITY(シェファード・シティ」です。オーソドックスな構成で見た目の派手さもありませんが、各部の質感が高く、飽きがこないクロスバイクです。

メーカーの商品説明では比較的短い距離での使用を想定した書き方をされていますが、軽くてよく走り、その気になれば週末のサイクリングでもしっかり活躍。街乗り専用かと思いきや実はポテンシャルが高い——そんなクロスバイクと言えます。センタースタンドを標準装備。

価格:69,080円(税込)

リンク: SHEPHERD CITY | ライトウェイバイクブランドサイト

どうしても欲しい自転車があるのか、それとも自転車のある暮らしが欲しいのか!?

2022年も引き続き、クロスバイクの品薄状態は続きます。自転車店が仕入れたくても、メーカー・ブランド側で入荷の目処がたたないものが多いのです。それでも「まったくない」というわけではなく、あらかじめ販売店が発注したものがポツポツと入荷してくるという状況が続くでしょう。

どうしても欲しいクロスバイクがあるという場合は、そのメーカー・ブランドの正規取扱店に、店頭在庫の有無や入荷予定を聞き、場合によっては予約して気長に待つ必要があるでしょう。しかし前半に書いたように、入荷時期が「2023年」というものもあります。クロスバイクで「1年待つ」というのも、非現実的です。

どうしても欲しいクロスバイクがあるのか、それとも「クロスバイクのある暮らし」が欲しいのか——どちらを優先するかよく考える必要があります。

個人的には、特定の車種にこだわるよりも「信頼できそうなショップを見つけること」と「自分の体格にあったサイズのクロスバイクを買うこと」、この2つを優先させることをおすすめします。

(SUGAI Gen)

自転車が絡む読み物や自転車生活に役立つ商品の紹介を、新しい「CyclingEX」に掲載しています。
自分のために、そして周りのみんなのために。ルールを守って自転車を安全に楽しもう!