予定外?だった柿田川の透明度に見とれる


自分の中で「隣県への旅行」を解禁し、日帰りで神奈川から静岡へと輪行サイクリングに出かけた。とりあえず三島駅まで輪行して海沿いを走り、富士山と工場をバックに走るローカル線を見たいと考えて家を出たのだが、何かが頭から抜け落ちていて——。

輪行袋に入れたフォールディングバイクを抱えて小田急線とJR東海道線を乗り継ぎやってきたのは、三島駅。自宅を出る前は「沼津まで輪行しようか」と思っていたが、少し走行距離を稼ぎたいと思い、手前の三島を選んだ。三島駅で自転車を展開して、旧東海道を沼津に向かって走り出した。まずは太平洋岸自転車道をJR東田子の浦駅付近まで走る予定だ。

曇り空だが涼しくて気持ちがよい中を、のんびりとペダルをこぐ。沼津までは寄り道をしないつもりだったが、途中で左にそれる道があり、何気なくそちらを見たら案内標識に「柿田」と書いてあるではないか。

そうだ、思い出した。全長1kmちょっとだが、富士山からの伏流水が大量に湧き出て、日本を代表する清流のひとつである柿田川。その水源が、三島駅から自転車で近いところにあるのだった(所在地はは駿東郡清水町内)。以前から「いつか行きたい」と思っていたし、数日前までは「三島駅から柿田川が近いな」とも思っていたのに、三島駅に降り立ったときには頭から抜け落ちていたのは、どういうわけだろう。

思い出したからには行こうと決めて、国道1号沿いに少し走り柿田川公園にやってきた。駐輪場に自転車を置いて園内を散策してみるが、観光客だけでなく広場で遊んだりくつろいだりする地元の人たちも多いようで、のんびりとしてよい雰囲気だ。

階段を降りて展望台に向かう途中、遊歩道のその先に、ざらっとした灰色の地面が見えた。コンクリで固めているところがあるのかと思ったが、実際に私が見ていたのは川底、つまり水の下にある砂だった。

川底から水が絶え間なく湧き出て、砂が生き物のように動いている。それが、そこかしこにある。

水面のゆらぎや光の反射がなかったら、地面から草が生えているかのようにすら見える。もちろんこれは水草だ。

その透明度に、しばし見とれてしまう。

見とれていたら、結構な時間が過ぎた。出発したときには抜け落ちていたくらいなので、柿田川公園に寄る時間は、なんとなくすら考えてないなかったのだ。

まあ、堪能したからよいだろう。「柿田」と書かれた案内標識には、感謝しなくてはならない。

柿田川公園から沼津へ向かう川沿いの道は、なんだか懐かしい気分になった。というのも、2003年だったか「狩野川100kmサイクリング 」(の、50kmの部)で走っているからだ。

川沿いのサイクリングロードは工事中のところもあったりして少し不案内にも感じたが、一般道と交差する場所のアンダーパス化も進んでいるようで、工事が終われば走りやすくなるのだろう。

富士山を横目に見ながらの、クルージング。

沼津港が近づいたあたりで工事に行手を阻まれウロウロしていると、こんなものがあった。

昔の鉄道用信号機と、蒸気機関車の「先輪」か。ということは廃線跡だな、そういえばそんな話を聞いたことがあったような——と思いつつ地図を見ると、いかにも廃線跡らしい遊歩道がある。沼津駅と沼津港を結んでいた、東海道本線・貨物支線の廃線跡とのことだ。

この日は4連休の最終日で、沼津港は多くの人でにぎわっていた。

食事はできなくても「買い食い」くらいはできるかなと思ったが、中へと進むほど人が増え、諦めて港から離れることにした。

松原の中を抜ける道の前方に、夏姿の富士山が見える。

うらやましいなと、思った。

だらだらと書いていたら長くなったので、つづく。

つづき: 太平洋岸自転車道を経由して小さなローカル線を訪ねる – CyclingEX

(SUGAI Gen)