私が平成の時代に乗った自転車たち

今日4月30日は「平成最後の日」。そこで、平成を通り過ぎた筆者が30年間に乗った自転車を振り返ってみたいと思います。

●ARAYA MF700-CX-F

画像提供_新家工業

アラヤ・マディフォックスシリーズの700Cモデルです。以前この自転車を「1989年に発売」を紹介したことがあるのですが、改めて確認すると1988年(昭和63年)のカタログに掲載されていたようです。また、自分の記憶を思い返しても、1988年に親に買ってもらった記憶があります。だとすれば、購入時点では昭和ですね。

その後、高校生の頃まで乗っていましたが、のちに完全に興味をなくし、処分してしまいます。今思えば、もったいないことをしました。ただ、購入店(東●ハ●ズ)でフロントディレイラーの使い方などを教えてもらわなかったので後々少し苦労もして、中学生ながら「自転車はちゃんとした店で買わなくてはならない」と感じたのは事実です。

関連雉: 時代先取り?89年の700Cハイブリッドバイク「ARAYA MF700-CX-F」 – CyclingEX



●GT NOMAD LTD

スポーツサイクルと呼べるものにふたたび乗るようになるのは、2001年(平成13年)のことです。フリーランスのライターだった私はとある雑誌の取材でスポーツサイクル専門店を訪れ、そしてメッセンジャーの方にお話を伺うなどして、急にスポーツサイクル熱が高まりました。2000年に雑誌「BICYCLE NAVI」が創刊されたり、さらにその前年に映画「メッセンジャー」が公開され(観てませんが)街にサイクリストが増えたことも影響しているでしょう。

当時都内の繁華街を歩けば、あちらこちらでスリックタイヤに履き替えた「SPECIALIZED ROCKHOPPER A1 FS(スペシャライズド ロックホッパー A1 FS)」がガードレールにくくりつけられていましたし、Peugeot(プジョー)のMTB「VTT-205」やクロスバイク「COM-70F」などもよく見かけたものです。当時関わっていたEC関係の仕事で「三軒茶屋あたりで折りたたみ自転車がよく売れる」というデータもあって(※)、自転車が流行り始めているという印象はありました。

この少し前には「街中でDH(ダウンヒルバイク)に乗る」というブームがあったのですが、個人的にはあまり記憶に残っていません。

私はというとGIANT(ジャイアント)の「CS-7000」というクロスバイクが欲しかったのですが在庫にめぐりあえず、地元の自転車店でこのGT NOMAD LTDを購入しました。片道10km走っただけでとても達成感があったし、このクロスバイクで初めて町田から江ノ島まで行ったときは、江ノ島が見えた瞬間に声を出して喜んだものです。

現在はフレームが部屋の片隅にあります。

※駐輪場もない狭小マンションの住民が、エレベーターに載せやすく保管スペースを取らない折り畳み自転車を買う——ということだったらしい。

関連記事: 15年前に乗っていたクロスバイク – CyclingEX

●GIOS SERAPH

クロスバイクを手にした私は、半年ほどで当然のようにロードバイクが欲しくなりました。そこで2001年(平成13年)暮れに購入したのが、GIOS(ジオス)の「SERAPH(セラフ)」というモデル。GIOSの代理店お得意の日本企画モデルですが、ヘッドチューブが長くハンドル位置が高くできたので、ビギナーの私にはぴったりでした(そのような理由から、ショップに薦められたのです)。

写真は後年、流行り始めたコンパクトドライブ(50/34T)をインストールした写真ですが、当初は105(もちろん9速時代)の53/39Tを付けていました。

ヤフオクにて売却。

●GT AVALANCHE 1.0

NOMAD LTDにシクロクロス用のタイヤを履かせていた頃、家から近いプチ・トレイルを走ってみたら、なかなか面白くて、それがきっかけでMTBへの興味が少しずつ湧いてきました。MF700-CX-Fでも結構近所の野山を荒らしましたので(ごめんなさい)、その楽しさが蘇ってきたとも言えます。そして2003年(平成15年)の3月、年末年始に頑張ったご褒美として購入したのが、2002年モデルのAVALANCHE 1.0でした。

油圧ディスクブレーキのおかげで、未舗装路の急な下りも安心でした。

ヤフオクにて売却。

●BRIDGESTONE ANCHOR RHM9

上で紹介したGIOS SERAPHをコンパクトドライブにしたのは、確か2003年春ことで、ヒルクライム対策でした。そして「GIOSをヒルクライム用にしたのだから、平地用のロードバイクが別途必要だ」という謎の理屈で、2003年(平成15年)の9月に購入したのが、当時発売されたばかりのANCHOR RHM9。それまでのホリゾンタルからスローピングへとモデルチェンジしたもので、雑誌でチーム・ブリヂストンアンカーの選手が乗っているのを見て「かっこいい!」と思ったのが購入の理由です。結構ミーハーでした。

周囲を見ても、COLANAGO C40はもちろん、確か前年に発売されたTIMEのBonjourレプリカ(VX SPECIAL PRO)とか、2001年のDE ROSA KINGなど、フルカーボンバイクに乗る人が増えてきていました。

知り合いに売却。

●BRIDGESTONE HADYBIKE 8

「休日などに、どこへでも自転車を持って行きたい!」という欲求を満たすために購入しましたが、プラ製ホイールがすぐ劣化するのが弱点でした。2004年(平成16年)に購入するも、翌年売却。

●SCHWINN SIERRA

当時フリーランスの身分のまま席を置かせてもらっていた編集プロダクションに、わがままをいって移動用として置かせてもらったシュウインのコンフォートMTBです。2004年(平成16年)の11月だか12月だかに、今はない「ワイズバイクデータ」のオープン記念特価品を購入しました。

やわらかいサドルと動きすぎのサスペンションを備えていましたが、自転車通行可の歩道から車道まで、さまざまなシチュエーションをこなすことができました。実に良い自転車だったと記憶しています。

余談ですが、この頃に街でよく見かけた自転車はというと、当時立ち上がってまだ数年だった「tokyobike」、SPECIALIZEDの「Sirrus(シラス)」、GIANTのフラットバーロード「FCR」、あと、シボレーのロゴが入った自転車とか、通称「エロチャリ」(エロティックデザインワークスの自転車)なども、この時期だったでしょうか。GIANTのESCAPE R3は発売されたばかりで、人気が出る前でした。

SCHWINN SIERRAは、後に友人に売却。



●DAHON HELIOS P8

HADYBIKEよりちゃんと走り、かつ普段着で気軽に輪行を楽しめる自転車が欲しくて、街乗り用を兼ねて2005年(平成17年)に購入。なかなか走りも良かったです。

売却済み。

●COLNAGO E1

2005年(平成17年)の秋、2006年モデルとして発表されたCOLNAGO(コルナゴ)のCristallo(クリスタロ)に惚れるも、さすがに高くて手が出ず、しかしCristalloの前身とも言えるE1のChorus-Centaur Mix完成車(コンパクトドライブ仕様)はわりとお買い得だったので、購入しました。

2004年くらいから「グランフォンドモデル」なるロングライド向けのロードバイクが出始めていて、このE1もそのひとつだったと言えるでしょう。

何度も売却を試みるも、未だ手元にあるという状態です。

●GT ZASKAR TEAM

2008年(平成20年)夏に購入。すでにAVALANCHEは売却済みでしたが、MTBレースに出てみたくて、とりあえず売れ残りのフレーム(2004年モデル)を購入しました。が、途中から気が変わって、ダートをこなせる軽量バイクに。

Vブレーキはさすがに力不足で、この自転車ではあまり山は走りませんでした。

売却済み。

●GIANT ESCAPE R2

2004年に2005年モデルとして登場し、数年後に大人気クロスバイクに成長した「GIANT ESCAPE R3」の上位バージョンがこの「R2」。2009年(平成21年)に2010年モデルを購入しました。チョイ乗りから片道40kmくらいのサイクリングまで、実に幅広く活躍しました。

乗り倒した挙句、リサイクルへ。

●MERIDA BIG.NINE 1200

今度こそMTBの耐久イベントに出る!と決めて、2013年(平成25年)に購入したアルミのハードテールXCバイクです。実際、何度か林道でのイベントや耐久レースに出ました。

このバイクは29erですが、ゲイリーフィッシャーが提唱し製品化した29erがこの頃に日の目を見て、その後27.5が出て、また29erが復権して——というわけで「十年一昔」ならぬ「一年一昔」といった感じです。

世代の古さを感じつつも現役。

●GT GRADE ALLOY CLARIS

GTのグラベルロード「GRADE ALLOY(グレイド・アロイ)」の最廉価グレードで、しかも旧年モデルが安かったところを2017年(平成29年)に購入。またGTの自転車を買うとは、自分でも思っていませんでした。

このGRADE ALLOYは、現役でいまいちばん乗っている自転車です。今どきのグラベルロードバイクと比べると装着可能なタイヤが細めであるなど、旧世代の製品であることを実感する場面もなくはないですが、なんとなく「性に合っている」感じはするんですよね。

関連記事: 10万円グラベルロード「GT GRADE ALLOY CLARIS(2016年モデル)」と付き合ってみる – CyclingEX


2009年からCyclingEXをやるようになって、メーカー・代理店から長期貸与された後にそのまま居着いた自転車は、ここでは割愛しました。

こうやって振り返ってみると「なんでGTを4台も買ってるのか」と思いますね。あと、ブーム当時「一度は所有したい」と思いつつも、結局ピストバイクは買いませんでした。坂のてっぺんに住んでいたので、仕方がないのですが。

(Gen SUGAI)