国民生活センターが道交法の基準に非適合の電動アシスト自転車についてテスト結果を発表

国民生活センターが、道交法の基準に適合しない電動アシスト自転車について、テスト結果を発表しています。

リンク: 道路交通法の基準に適合しない電動アシスト自転車に注意-道路を通行すると法令違反となるおそれがあり、交通事故も発生しています-(発表情報)_国民生活センター

この手の発表は以前にも行われていますが、今回はテスト対象の選定がなかなかユニークです。

5.テスト対象銘柄
インターネット通信販売で販売され、売り上げランキングが上位で、購入時点で商品ページ に電動アシスト自転車として道路の通行が可能であると明記されているか、それをほのめかす 記載または Q&A の回答がある銘柄の中から、国家公安委員会の型式認定を取得した旨の記載が なく、基準に適合しているかが不明であった 10 銘柄をテスト対象としました(表 1、写真 1 参照)。

で、結果は10台中9台が「×」。資料にて名指しされておりますので、紹介します。

No. 銘柄名 または品番 製造または販売事業者モーター 出力 製造国 道路交通法の定めるアシスト比率の基準への適合
1AOGT35C 21 テクノロジー株式会社 240W 中国 ×
2ENGWE 株式会社ディスタント・ビュー 750W 中国 ×
3JINGHMA R7 株式会社ディスタント・ビュー 800W 中国 ×
4PYKES PEAK X20 Fun Standard 株式会社 250W 中国 
5E’KEI R7 株式会社金枠 800W 中国 ×
6Shengmilo M80 桂愛株式会社 500W 中国 ×
7PHILODOH7 マキタシステムサービス株式会社 1000W 中国 ×
8Mx02Sユニバイ株式会社 1000W 中国 ×
9G-Cruiser20有限会社上山商会 250W 中国 ×
10 HIMO C20+株式会社ベーシックリビング 250W 中国 ×

外観は下記のようになっております。

さて、報道発表資料にはなかなか刺激的なことが書かれています。例えば。

1 銘柄は、全速度域でアシスト比率が道路交通法の定める上限値を超え、基準に適合してい ませんでした。また、型式認定取得後の検体でも同様の結果でした

銘柄 No.1 の測定の結果、勾配や 24km/h までの速度域にかかわらず、全速度域でアシスト 比率が道路交通法の定める上限値を超え、かつ 24km/h を超えてもモーターの出力が停止せ ず、基準に適合していませんでした。さらに、当該銘柄を購入した後に販売サイトが一部変 更され、型式認定を取得している旨が新たに表示されたことから、当該銘柄を追加購入(銘柄 No.1-2 とします)して測定した結果、銘柄 No.1 と同様の結果となり、基準に適合していませ んでした(詳細は 12.テスト結果詳細 表 9 参照)。

形式認定を取得したと謳われているのに、通販で買うと非適合のモノが届くって、なかなかやばくないですか。実は当該商品、確かに形式認定を受けた形跡は認められるんです(参考サイト)。しかし、形式認定を受ける前から同名同外観の商品が売られていますし、もう、一体何を信じれば良いのやら。

2 銘柄は、対応する JIS の表記や性能確認済みとの表記があるにもかかわらず、アシスト 比率が道路交通法の定める上限値を超え、基準に適合していませんでした

銘柄No.9は「JIS D 9115アシストセンサー使用」、No.10は「国内試験機関で電動アシス トの比率計測の試験を受け、国内の基準を満たしています」とそれぞれの販売サイトに記載 がありました。しかし、それぞれアシスト比率が道路交通法の定める上限値を超えている速 度域があり、基準に適合していませんでした(詳細は 12.テスト結果詳細 表 10 参照)。

これもなかなか悪質ですね。なお、No.10の商品は、コントローラー交換対応の案内が出ていました。ユーザーが自分で交換するそうです。これをクラファンでお金を出して入手した方々は、どのような感想をお持ちでしょうか。

情報源: news | Basic Living

3 銘柄で取扱説明書にアシスト機能を停止する速度の初期設定値が記載されており、道路
交通法の定めるアシスト機能を停止する上限速度を超える速度がアシスト機能を停止する速 度として設定されていました。さらにその内のいずれの銘柄でも、アシスト機能を停止する 速度の変更方法に関する記載がありました

取扱説明書の記載内容を確認したところ、銘柄 No.5、7、8 では仕様欄にアシスト機能を停 止する「速度制限設定値」が記載されており、道路交通法の定める上限値を超える 45km/h や 65km/h で設定されていました。また、その内のいずれの銘柄でも、その値を調整する方法が 記載されていました(詳細は 12.テスト結果詳細 写真 4 参照)。

まあ、こういうのに惹かれるのが一般心理なのかもしれませんね。

リンク: 国民生活センター

(SUGAI Gen)

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