自転車の破損・転倒事故で輸入元に損賠命令…東京地裁

RST製サスペンションが装着されたイタリアブランド「ビアンキ」の自転車で走行中、前輪が外れて転倒し障害を負ったとして、茨城県つくば市の男性がサイクルヨーロッパ・ジャパンを訴えていたことを記憶している方は多いと思います。本日、その判決が東京地裁でありました。

イタリアの自転車メーカー「ビアンキ」ブランドの自転車の前輪が外れて転倒し、後遺障害が残ったとして、茨城県つくば市の中島寛さん(63)と保険会社などが製造物責任法(PL法)に基づき、輸入元でビアンキの親会社の日本法人「サイクルヨーロッパジャパン」(東京都千代田区)に総額約2億4000万円の賠償を求めた訴訟の判決が25日、東京地裁であった。白井(しらい)幸夫裁判長は製品の欠陥を認め、サ社側に約1億8900万円の支払いを命じた。

引用元: 輸入自転車:前輪破損し障害 輸入元に損賠命令…東京地裁- 毎日jp(毎日新聞).

自転車部品の欠陥で走行中に転倒して重傷を負ったとして、茨城県つくば市の元会社経営・中島寛さん(63)夫妻が、自転車を輸入した「サイクルヨーロッパジャパン」(東京)に製造物責任法に基づく損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(白井幸夫裁判長)は25日、欠陥を認めて同社に約1億5000万円の賠償を命じる判決を言い渡した。

引用元: 自転車欠陥、1億5千万円賠償命令…輸入会社に : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

1.5億円なの? 1.89億円なの?

いずれにしても、原告勝訴という結果が、少なくとも地裁の判決としては、下されました。

転倒し首から下がマヒするという障害が残った原告の方のお気持ちはお察しします。一方で、仮にサスペンション内部が損傷していて、それが平地走行中にどうやったら抜けて転倒につながるのか、それは未だに理解できません。

しかし、今回の「事件」から自転車業界が、そしてユーザーが学ぶことは多いように思います。

まず、やっぱり自転車は自分の身体を預ける乗り物であり、普段使いのものであっても定期的なメンテナンスは重要であるということです。ユーザーが「メンテナンスが必要だなんて聞いてない」と主張するのは自由ですが(今回の訴訟を指して言っているわけではありません)、もし整備不良が原因で事故が起き、その責任をメーカーや輸入元、販売店の説明責任に転嫁できたとしても、それでケガが早く直ったり、もし命が失われたとして、その命が帰ってくるわけでもありません。

一方、製造・輸入・販売を行う側は、エンドユーザーを把握することの重要性に、いい加減気づいていただきたいと思います。もし自転車が「れっきとした乗り物」であるというならば、少なくとも1人目のオーナーに関してはしっかり把握できる仕組みを作っていただきたいと思います。それは任意のユーザー登録というものではなく、購入時に必ず登録されることが重要でしょう。現状では購入者の把握が販売店任せになっているように見受けられます。

もちろん販売店で管理することは必要なのですが、その仕組みづくりについては、製造・卸側の仕事のように思います。とくに、大量に販売しているメーカー/ブランドに関しては。

(Gen SUGAI)






Rbl2012_m