事業仕分けで競輪補助事業に「廃止」の判定

政府の行政刷新会議による事業仕分け第二弾が行われていますが、その中で、JKAの手がける競輪補助事業が「廃止」の判定を受けました。


競輪補助事業「審査強化までは廃止」と仕分け : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

経済産業省所管で競輪やオートレースの運営を手がける「JKA」が、車券収入の一部で行っている社会福祉法人などへの補助事業について、「審査が甘い」などとして「審査体制を強化するまでは廃止」と判定した。補助金の受け皿となっている系列団体の多くに中央省庁OBが多数在籍することなどを問題視した。外務省所管の国際協力推進協会が政府開発援助(ODA)のPRのため設置している「国際協力プラザ」運営などの事業も「廃止」とした。


今回の事業仕分けでは、スポーツ関連の補助に関しては、とくに議論がなかったようです。また、補助事業そのものがけしからんというわけではなく「審査体制を強化するまでは廃止」という判定になっています。


時事通信にはもう少し詳細な記事が。


時事ドットコム:競輪補助事業を「廃止」=経産省天下り先に配分集中-仕分け3日目

JKAは自転車の製造、輸出など機械工業振興と社会福祉の2事業を対象に補助金を交付しているが、機械工業振興の場合、約8割が経産省所管の公益法人に流れている。
 仕分け人の尾立源幸参院議員は、「(補助金の)配布先の85団体に常勤役員だけで経産省出身者が145人もいる」と指摘。外部有識者による審査が形骸(けいがい)化しており、補助金が天下り先に優先配分されているのではないかと問題提起した。仕分けではまた、経産省からJKAに天下っている常勤役員4人の年収約1760万円の見直しを求めた。

1760万円!?


一方、仕分け結果に対してはスポーツ界からは困惑の声も。


スポーツ界は困惑気味 JKAの補助事業廃止で – スポーツ – SANSPO.COM

政府の事業仕分けで競輪の振興法人、JKA(経済産業省所管)の補助事業が廃止と判定されたことを受け、日本オリンピック委員会(JOC)の市原則之専務理事は24日、国際大会派遣などで補助を受けている現状を踏まえ「長い間支えられている。天下り先だけでなく、スポーツ界も対象になれば本当に痛い」と困惑気味に受け止めた。

では実際に、平成22年度の補助事業をみてみると。今回とくに問題になっている、機械工業振興の分野から。


補助事業一覧 (機械工業振興)


この中で、平成22年度の「機械工業における構造改革の推進のための事業環境の整備」というジャンルでは、50件、2,820,821,000円……えーっと、二十八億二千八十二万一千円、ですかね? で、詳細は……。


機械工業における構造改革の推進のための事業環境の整備


まぁ、当然ながら財団法人のオンパレード。いくつかの財団のサイトを眺め、代表者の氏名などを確認してみると、確かに通産省OBの方のお名前が。もちろん、通産省OBの中にはすばらしいお仕事をされてきた方、今でもすばらしいお仕事をしている方がいらっしゃるでしょうけどね。


そもそも、競輪って赤字のところも多いわけで、それでどうして巨額の補助事業がなりたつのか、不思議といえば不思議。JKA自身も補助事業を1/3へと縮小するという計画を発表していましたが、今回の事業仕分けでは「それでは手ぬるい」ということになったようです。補助事業を行うにしても、有効にお金を使ってほしいですね。


競輪補助事業には、自転車レースやサイクリング大会といったものも含まれます(公益事業振興)。


そういったものへの影響があるのかどうか、気になるところです。


(須貝弦)


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