いつだって憧れ:SPECIALIZEDのフルサスMTB「EPIC」と「EPIC EVO」がモデルチェンジ

SPECIALIZEDのフルサスMTB「EPIC」と「EPIC EVO」がモデルチェンジした。「もうモデルチェンジ!?」とも思ったが、前回のモデルチェンジは2017年夏、EVOの登場は2018年の夏だったから——これが変化のスピードということなのだろう。

new EPIC
photo_スペシャライズド・ジャパン

それぞれの道を歩み始めたEPICとEPIC EVO

EPICは前モデルに引き続き「EPIC」と「EPIC EVO」の2つのラインに大別できる。「EPIC」は前後100mmトラベルのXCレーシングバイクだ。一方「EPIC EVO」はバックカントリーやシングルトラックを視野に入れたバイクであり、リアトライアングルを専用設計。また、トラベル量はフロントが120mm、リアが110mmとなっている。

また、今回のモデルチェンジで「EPIC EVOはBrain非搭載」となったのも大きい。

従来のEPICでは象徴的な存在であった、ペダリングからの入力と路面からの入力を区別する「Brain」だが、今回のモデルチェンジでBrainはよりXCに特化した進化を遂げている。一方のEPIC EVOでは、リアトライアングル設計の差別化やサスペンションのチューニングにより必要とされる性能を実現しており、結果としてBrainは非搭載となった。

また、EPIC EVOはflip-chip(フリップチップ)を採用しているのもポイントで、ヘッドアングルとBBハイトを変更できる。初期状態ではヘッドアングルが66.5度の「ロー」の状態だが、flip-chipをひっくり返すことで、ヘッドアングルは67度となり、BBハイトも6mm高くなる。

とはいえ、EPIC。

新型EPIC EVOには搭載されないとはいえ「EPICと言えばやはりBrain」だ(と、言わせてくださいお願いします)。ただし、これからは「(EVOではないほうの)EPICと言えば〜」という書き方が必要になる。

ペダリングからの入力と路面からの入力を区別し、フラットな路面を走っている限りはサスペンションが動かず、荒れた路面に入って下からの衝撃が加わればサスペンションが動く——2003年に初登場したとき魔法のように感じたこのテクノロジーは、今でもSPECIALIZEDのMTBにおける「看板」のひとつであり続けている。

初代はリア周りの構造がとても特徴的だったけれど、モデルチェンジを重ねていくうちに、Brainの(見た目の)存在感はどんどんと小さくなっていった。また、前モデルよりシングルピボットとなり「FSR」も廃している。今や「ひと目見てわかる」という感じではないかもしれない。

new EPIC
photo_スペシャライズド・ジャパン

リアアクスル後方に搭載される、Brain。中に慣性バルブが入っていて、ライダーからの入力と路面からの入力を切り分けてくれる。電子的な制御ではなく、あくまでも油圧のお仕事だ。従来モデルでの解説だけれど、同社オフィシャルブログのこちらの記事に詳しい。

「ほら、ここにあるのが『慣性バルブ』。この中にスプリングで浮かせてある重りがあってね、衝撃を受けると、浮いてるから、そのバルブはその場にとどまろうとするんだ。」

リンク: SBCUコウジ先生と読み解く、MTB、その楽しみかた Vol.06 「ブレインショックの気持ちよくなるいじり方」

今回の(EVOではないほうの)新型EPICではさらに搭載位置を見直し、慣性バルブの感応性を高めるとともに、内部機構も改良し連続的な衝撃が入力されても一定の性能を維持できるようにしたとのこと。

いつの時代もスペシャのフルサスは憧れ

完全に余談だが、筆者にとってSPECIALIZEDのフルサスXCマシンは、ずっと憧れの存在だ。

マウンテンバイク・マガジン Vol.15の誌面
マウンテンバイク・マガジン Vol.15の誌面

このS-WORKS FSR XCなんて、本当にかっこよかった。Vブレーキなのが時代だ(このとき、Brainはまだ登場していない)。

そして今回発表された新しいEPICとEPIC EVOにも、筆者は羨望の眼差しを向けてしまうのである。

関連記事: ブックオフで昔のMTB雑誌を買ってみた – CyclingEX

EPIC COMP
EPIC COMP photo_スペシャライズド・ジャパン

ちなみに、おじさんは「スペシャはやっぱり赤だよね」と思うわけで。


EPICおよびEPIC EVOのラインナップは、下記のとおり。今回発表されたのはカーボンフレームモデルのみとなっている。

プライスを見ると、S-WORKSはさすがのお値段だが、ベーシックグレードは意外と——憧れを手にするなら、もしかして今!?

あとは、財布と在庫のタイミングであろうか。

EPIC LINE UP

●S-WORKS EPIC FRAMESET

価格:550,000円(フレームセット、税別)
カラー:グロスブラッシュ/ブラック、グロスレッドティント-ブラッシュドシルバー/ブラック/ホワイト-ゴールドパール
サイズ:S、M、L

●S-WORKS EPIC

S-WORKS EPIC
photo_スペシャライズド・ジャパン

価格:1,150,000円(税別)
カラー:サテン/グロスカーボン/カラーランシルバー-グリーンカメレオン
サイズ:S、M、L

●EPIC EXPERT

EPIC EXPERT
photo_スペシャライズド・ジャパン

価格:640,000円(税別)
カラー:グロスレッドティント/ホワイトゴールドゴーストパール
サイズ:S、M、L

●EPIC COMP

EPIC COMP
photo_スペシャライズド・ジャパン

価格:440,000円(税別)
カラー:グロスフローレッド-レッドゴーストパール/メタリックホワイトシルバー
サイズ:S、M、L

EPIC EVO LINE UP

●EPIC EVO EXPERT

EPIC EVO EXPERT
photo_スペシャライズド・ジャパン

価格:660,000円(税別)
カラー:グロスレッドウッド/スモーク
サイズ:S、M、L

●EPIC EVO COMP

EPIC EVO COMP
photo_スペシャライズド・ジャパン

価格:440,000円(税別)
カラー:グロスブラッシーイエロー/ブラック
サイズ:S、M、L


製品についての詳細は、SPECIALIZEDのWebサイト、および同社公式オンラインストアでどうぞ。

リンク: バイク/マウンテンバイク/EPIC|スペシャライズドオンラインストア

リンク: Epic | Specialized.com