【ふたつのESCAPE】最初のひとこぎからわかる走りの軽さが魅力の「ESCAPE AIR」

10月から始まった、GIANTのクロスバイク「ESCAPE AIR」と「ESCAPE RX3」の比較シリーズ。過去2回、AIRとRX3のディティールについて紹介してきましたが、今回からは、実際に乗ってみてのインプレッションです。まずはESCAPE AIRからお届けします。

最初のひとこぎからわかる走りの軽さ

GIANTからお借りしているESCAPE AIRは、500mmのサイズ。個人的に使用しているESCAPE R2(2010モデル)と同じサイズです。ESCAPE AIRはESCAPE Rのディメンションを受け継いでいるので、AIRにまたがってみての第一印象は「自分のR2といっしょ」というものでした。クロスバイクとしてはコンパクトな車体ですが、上体が起きたポジションが取れ、視線も上がるので視界良好です。



実際に走り出してみると、やはり最初のひとこぎから走りの軽さを感じます。500mmサイズで9.9kgという軽さは、持ってみて軽いのは当然として、そのまま出足のラクさにつながっているようです。自分が常用しているR2も最初(ノーマル時)は「おー、走りが軽いな!」と感じたのですが、AIRはそれ以上。

そしてその「軽さ」の印象のまま、スルスルッとスピードが上がって行きます。これが気持ちいい。走っていると、フレームはもちろん、フロントフォークやホイールといった足回りの軽さを感じます。ダンシングやコーナリングでも「ヒラリヒラリ」といった印象。もちろん不安ということはありませんが、軽さを全面に打ち出した「演出」なのは確かです。

軽くなった分だけ乗り心地が悪くなったのでは?と心配している人もいるようです。しかし、このクラスのクロスバイクでかつ700×28Cとしてはショック吸収性は高く、それなりにしっとりしていると言えます。クロモリフロントフォークは確かにコツコツと振動を伝えますが、ショックの角はアルミフォークのそれよりは取れています。

●坂道やストップ&ゴーで軽さが活きる!

一方、ホイールが軽いからか、軽くてややしっとりめな乗り味のフレームだからか、高速を維持するのはちょっと「キャラじゃない」感じ。幹線道路を飛ばしているときや、ダンシングでさらに加速したいと思ったとき「少しスピードの乗りがまったりしてるのかな〜」と思うことがありました。私が乗ってみた限りでは、25km/hくらいまでの範囲でイーブンペースでクルージングするのが、おいしい領域のようです。



街中を走っているときに、信号でストップしたり、路地の一時停止でいったん足をついたりしてから、もう一度走り始める……なんてときには、こぎ出しの軽さが最大限に活きてきます。そして、私の住んでいる街は坂が多いのですが、車体が軽いので、サドルに座ったままで淡々と登って行く分にはたいへんラクで、この点はとても気に入りました。

パーツについても少し触れておきましょう。まず、最初に見たときは「こんな単純でいいの?」と感じたグリップですが、下手なゴム製より握り心地が良いのは面白いです。最初どころか何度見ても、ウレタンの筒を竹輪みたいにカットしてるだけじゃないか!と思うのですが(笑)、しっとりしてて手になじみやすいのです。



シフターは、「SRAM X4」が使われています。このシフターはギアを重たくするのも、軽くするのも、どちらのレバーも右手の親指で操作するタイプのもので、ビギナーの人にとってはわかりやすいのではないかと思います。ただ、ギアを軽くする側のレバーが結構手前にあり、ギアを軽くするときに指のアクションが大きくなるので、路面のアップダウンに応じて頻繁にシフト操作をして……という雰囲気ではありません。シティライド用という割り切りを感じます。



●街乗りが快適で楽しくなるクロスバイク

というわけで、このESCAPE AIR、持っても走っても軽いというメリットを享受しつつ、街中を軽快に流していくのが向いているクロスバイクだと言えるでしょう(実際にどう使うかは乗り手次第でどうにでもなるものですが)。この走りの軽さは、ビギナーからすれば感動的なはず。アップダウンの多い街に住んでいる人にもオススメできます。

サスペンションの無い、しかもタイヤが細めのクロスバイクとしては十分な快適性も持っているので、デイリーユースにぴったりだし、30〜40kmくらいの距離をサイクリングするのにも良いでしょう。シティサイクルから乗り換えたら、その直後は「ガタガタする〜」と思うかもしれませんが、それはすぐ慣れます(笑)

また、すでに何台か自転車を乗り継いでいる人が、普段使いのセカンドバイクとして乗っても楽しめるのではないかと思いました。

「ドッシリ安定志向」のクロスバイクとはだいぶ異なる乗り味と操作性ですが、それがAIRの個性ということになります。安定志向をお望みならGIANTのラインナップで言えば、タイヤが太くてホイールベースも長い「SEEKやSUITO、CROSSをどうぞ」となるでしょう。

ESCAPE AIRのファーストインプレッションはここまで。次回は、ほぼ同じコースで試乗した、ESCAPE RX3についてお伝えする予定です。

[製品について]
GIANT ESCAPE AIR
試乗車サイズ:500mm
重量(カタログ掲載値):9.9kg(500mm)
価格:54,600円
ジャイアント

過去の「ふたつのESCAPE」はこちらからどうぞ


また、ESCAPE関連記事はジャイアントのクロスバイク「エスケープ」シリーズを楽しむ人のためのWebマガジン「ESCAPEUSERS」のほうでもまとめています。「ESCAPEUSERS」へはこちらからどうぞ。


ESCAPE RX3のインプレも公開しました


(Gen SUGAI)






須貝 弦

1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。印刷製版会社営業アシスタント、DTP雑誌編集者、コールセンター勤務等を経て、フリーランスのライター&編集者へ。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業内Webサイト、企業ブログ、メールマガジン等の制作にも携わる。2009年より、自転車ブログメディア「CyclingEX」を運営。須貝 弦(Gen SUGAI)のGoogle+はこちらです

You May Also Like