ニッポンよ、これが自転車インフラの世界標準だ 駐輪場編〜前編(from irukaの絵日記)

自転車通勤をきっかけに都市交通としての自転車の可能性に着目し、折りたたみ自転車「iruka」を開発中の小林正樹さんが、この夏、ヨーロッパ旅行の際に現地の自転車インフラを取材されました。そして、小林さんのブログに掲載された記事をCyclingEXにも転載させていただくことになりました。今回はその2回目となります。小林さん、ありがとうございます。なお、小林さんとirukaについては、こちらの記事で紹介しています。(須貝)

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Photo:小林正樹
Photo:小林正樹

前回に続き、旅行で訪れたヨーロッパの自転車インフラ事情を紹介します。今日は駐輪場について。

と言いたいところですが、今日はまず前提を整理しておきたいと思います。

駐輪場に関する議論には、大きく分けて以下の2つの論点があると思っています。

1. 経由地の駐輪場
2. 目的地の駐輪場

前者は「自転車をそこに置いて、別の交通機関に乗り換えて別の場所に行くための駐輪場」のことです。「家から最寄り駅まで自転車で行って自転車を置き、電車に乗り換えて通勤/通学する」が代表的な利用例ですね。

後者は「自転車をそこに置いて、その近くで用を足すための駐輪場」のことです。
「買い物をする/食事をする/お茶を飲む/出勤する」などがそうです(無数にあります)。

前者と後者では、駐輪場に求められるスペックは大きく異なります。

前者「経由地の駐輪場」は、多くの人がほぼ同じ時間・同じ場所に集まって来ますから、収容台数が大きいこと(あぶれてしまったら別の遠い駐輪場を探すか、撤去覚悟で放置するしかありません)、乗り換えの駅から近いことが最重要です。

一方、後者「目的地の駐輪場」は、人によって目的地が異なる上に、同じ人でもいくつかの目的地を移動することがありますから(複数の店を買い物して回るなど)、同じエリア内に一定間隔で複数の駐輪場がある方が使い勝手は優れています。そのかわりひとつひとつの規模は小さくて構いません。

つまり、経由地の駐輪場には「大規模集中型」が、目的地の駐輪場には「小規模分散型」が望ましいということです。商業エリアのある一定規模以上の街には、両方ある方が便利ですよね。

しかし、一般的に日本では、駐輪場に関する議論も対策も、前者「経由地の駐輪場」をどうするかということに偏っているように思えます。

例えば、表参道(イルカオフィスの最寄駅です)。先日、駅出口から100メートルほどの場所に、300台収容の区営駐輪場ができました。

Photo:小林正樹
Photo:小林正樹

本当に、もう本当にすばらしい。港区ブラボー。あんな一等地によくぞこんな立派な駐輪場を、です。港区の英断ですね。駅まで1分もかからず、収容台数もかなりのもの。典型的な「大規模集中型」であり、「経由地の駐輪場」としては完璧です。

ただ、(苦言ではなく事実として)駅には行かず表参道で買い物を楽しもうとすると、例えば表参道ヒルズまでは5分ほど、東急プラザには10分弱歩く必要があります。(*)

決して悪くはないのですが、表参道という東京を代表するショッピングエリアの「目的地の駐輪場」としては、もうひと声という感じなのです。

そこで、もし表参道の通り沿い100メートルおきくらいに、「小規模分散型駐輪場」があったらどうでしょう。

……と言っても、ピンとこない方々がほとんどだと思います。日本ではほとんど見かけませんから。

というわけで次回は、先日のヨーロッパ旅行で撮影してきた、墺独伊3ヶ国8つの街の、小規模分散型駐輪場の写真をご覧いただきます。


*表参道ヒルズには来客用駐輪場がありますが、東急プラザにはありません。

冒頭の写真はインスブルック、朝焼けのイン川。

株式会社イルカ
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(小林正樹)

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