10万円グラベルロード「GT GRADE ALLOY CLARIS(2016年モデル)」と付き合ってみる

ドロップハンドルをもちロードバイクのようなルックスながら、太めなタイヤやディスクブレーキを装備して、舗装路から砂利道まで1台でこなせる「グラベルロード」。10万円以下の安価な完成車も多いですが、その走りはどんなものなのでしょうか。

なんとなく「グラベルロードほしいなぁ」と考えていて、ふと思い出したのが、GTの「GRADE ALLOY CLARIS」2016年モデルです。2017年も限定モデルという扱いでカタログに載っています。

希望小売価格は、2017年モデルが88,800円(税別)、2016年モデルが108,000円(税別)ですが、2017年モデルはアルミフォークなのに対して2016年モデルはカーボンフォークを採用。旧モデルということで実売価格もお求めやすくなっている傾向にあるので「手軽に楽しみつつカスタムベースにするには好都合!」と、ふと思い出した翌日に注文してしまいました。

こちらが、納車直後の状態。タイヤは納車前に交換してしまいました。標準はKenda(ケンダ)Kwestの700×28Cなのですが、35Cのブロック付きタイヤまで対応できるのがGRADEシリーズの特徴でもあるので、手持ちのシュワルベ・サミースリック(700×35C)を装着してみました。

後日、取り付けるべきものを取り付けてポタリングに使用してみました。こうやって眺めてみると、10万円クラスの自転車としてはなかなか見栄えが良いように思います。もちろん、モデル名にあるとおりシマノ・クラリス完成車であり、クランクはFSAのTEMPOであるなど、随所に「安さ」は感じるのですが。

ひとまずディティールを見ていきます。

GTといえば「トリプルトライアングル」。

リア三角をコンパクトにし、軽量かつ高剛性であると謳っています。GTの解説はこちら。

ところで、シートクランプにダボ穴がありますね。

情報源: TRIPLE TRIANGLE – GT公式サイト | ジーティー MTB

少し湾曲したようにも見えるフロントフォークはカーボン製(アルミコラム)で、これは2016年モデルまでの装備。2017年モデルではクラリス完成車とソラ完成車、そしてフラットバーの「FB」はアルミフォーク、ティアグラ完成車と105完成車はカーボンフォークとなっています。

ブレーキは、テクロトの「mira」という機械式ディスクブレーキです。

チェーンステーとシートステーは凝った形状をしています。振動吸収性の向上を狙っているようです。

シマノ・クラリスのSTIレバー。

ハの字形状のハンドルで、いわゆる「下ハン」を自然な角度で握りやすくなっています。

もちろんリアディレイラーもクラリス。そして、カセットスプロケットもいきなり交換しています。標準ではSunRace製の12-25Tが装備されていました。クランクはFSA TEMPOの50/34Tですから、なんだか中途半端な組み合わせです。そこで、とりあえずシマノの11-30Tを使うことにしました。

35Cのサミースリックを履いたことによるクリアランスは、このようになっています。

というわけで、川沿いや里山を周回する個人的な定番コースをポタリング。このGRADE ALLOY CLARIS、フレームはなかなか良さそうです。ロードバイクとクロスバイクの中間のような感じで軽快に加速していきますし、舗装が荒れたところやフラットダートを進んだ際には振動吸収性の高さを十分に感じさせます。あらかじめ交換しておいた35Cのサミースリックとの相性も、良いようです。

変速性能は、この自転車の「安さ」を実感してしまうポイントのひとつ。とくに、フロントに関しては「なるべく変速したくない」と思ってしまいます。

ブレーキの性能については、まだあたりが出ていないのでなんとも言えません。要するに、今の段階ではあまり効きません。スピードは控えめに、そして下り坂ではちゃんと下ハンを持つようにしています。ハの字のハンドルで下ハンを持ちやすいのは幸いです。また、ワイヤーがフルアウターになっていて、しかも完成車用のグレードが低いものということもあってか、ブレーキレバーの引きは重いです。

ホイールは、単体で持った際に「おぉ……」と声が出る重さでしたが、まぁしかたありません。

もっとも、GRADE ALLOYシリーズのドロップハンドルモデルとしては最廉価ですから、採用されるパーツのグレードが低く、それが自転車の性能に影響するのは当然のこと。全体としては、ポタリングなどで舗装路/未舗装路を問わず十分楽しめる自転車になっています。とくにフレームの良さは感じとれるので、今後いろいろとパーツを変えていければと思っています。

最初から2017年モデルの105完成車を買っておくという選択肢ももちろんあったのですが、実は「このフレームカラーが欲しかった」というのも、2016年モデルのクラリス完成車を選んだ大きな理由だったりします……。

リンク: トップページ – GT公式サイト | ジーティー MTB

(Gen SUGAI)

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