GIANT ESCAPE R2にビンディングペダルを装着する

長期インプレ車のGIANT ESCAPE R2は、主に日常生活の中で使用していて、ほとんどの場合は1日に乗る距離20kmくらいです。つまり、片道10kmの距離を出かけて、用事を済ませて帰ってくる……という感じの使い方なのです。週末の趣味としてのサイクリングには、ロードバイクやMTBを使っていました。しかし、ESCAPE R2でももうちょっと長い距離を走ってみたいなと思い、とある週末に連れ出してみました。


そのとき走ったコースが下記の地図です。



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小田急線鶴川駅から鶴見川を上り、散策路&桜並木として地元では有名な「尾根緑道」を多摩美大方面へ。そして町田街道へ出て、境川に沿うように小田急線&JR横浜線の町田駅まで出て、鶴川街道で鶴川駅に戻るというコースです。


尾根緑道に入るまでに、結構急な上り坂があります。また、尾根緑道自体もダラダラとしたアップダウンがあって、意外と走り応えのある道です。


また、町田街道はクルマの流れも意識しながらキビキビとした走りが求められる一方、鶴見川沿いや境川沿いはノンビリと流す感じになるなど、なかなか変化に富んでいます。距離は36kmほど。このあたりにお住まいの方の「ちょっと遠くまでサイクリング」デビューにはちょうど良いんじゃないでしょうか。


実際にこのコースをESCAPE R2で出かけてみると、36kmなんて距離はこの手のクロスバイクにとっては余裕なんだということがわかります。長期インプレの第1回で書いた印象は、変わることはありません。「ああ、これなら江ノ島行けるな」と思いました(地元から往復80km)。そのうち実際にESCAPE R2で江ノ島に行ってみようと思っていますが。


一方で、ちょっと自転車に手を加えたいな……と思う点もありました。そう、記事のタイトルにあるように「ビンディングペダルを使いたい」と思ったのです。ビンディングペダルとは、皆さんご存知だとは思いますが、ペダルに足(シューズの足裏)を固定するタイプのもの。スキーのビンディングと同じようなイメージです。ペダルと足が固定されることで、踏み込むだけではなく、足を引き上げる動作も駆動力にしてができるので、踏みこむ足の力が邪魔されず、効率的なペダリングが可能になります。ESCAPE R2には当然ながら普通のフラットなペダルが装着されているのですが、これだと踏み込むペダリングしかできないのです。個人的にはロードバイクでもMTBでもビンディングペダルを使っているので、今回30km以上乗ってみて「やっぱりビンディングにしたいな」と思ってしまったのでした。


というわけで、家の中から発掘してきたのがシマノの「片面SPDペダル」です。


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片面はシマノSPDのビンディング。当然、SPDのクリート(シューズの足裏に付ける、ペダルとの接点になる部品)が付いたシュースで乗ります。


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反対側の面はフラットペダル。街乗りではこちらの面を使えばふつうの靴でOK。


製品名は「PD-M324」です。何年も前に使っていて、段ボールの中で錆だらけだったのをサルベージしてきました。このPD-M324には「マルチリリース」というタイプのクリートが標準で付属するのですが、私は「シングルリリース」のクリートを使っています。シングルリリースは足首を外側にひねるとペダルから足が外れるのですが、マルチリリースはどの方向にひねっても外れます。マルチリリースでは外しやすくするためにそうしたわけですけど、これがかえって「意図せず外れる」という事態を誘発してしまいます。某社の社長も、マルチリリースが意図せず外れてコケてお怒りになったという伝説があります。あ、余談ですね。とにかくクリートは「シングルリリース」がおすすめです。


まぁそんなわけでESCAPE R2のペダルをSPDペダルに交換して、翌日にまた同じコースに出ました。急な上り坂では、引き足も使いつつ円を描くようにクルクルと回すペダリング。ダラダラ坂で勢いを付けたいときは、ペダルから足が離れないという安心感から思い切りダンシングできます。そして平地を巡航するときも引き足の効果によって、踏み込むだけではなく回転させるペダリングが可能になります。走っていて「そうそう、スポーツサイクルはやっぱりこうじゃなくちゃね」と思ってしまいました。松浦晋也さんが言う“2倍”は大げさにしても、1.25倍はパワーアップした感じです。


ビンディングペダルは、理屈で言えば「効率が良い」です。そして理屈じゃないことを言うと、ビンディングペダルのほうが走っていて楽しいです。ESCAPE R2(もちろん他のESCAPE Rシリーズでも)を買った後に「自転車を速くしたい」と思ったら、まず最初にやることはビンディングペダル&シューズではないでしょうか。普段使いではふつうの靴で乗りたいという方には、今回紹介したような片面SPDもありますし。


追記1:ちなみに『プロショッップに聞く「GIANT ESCAPE R3のと×」』で取材したとき、ショップの方に「ESCAPE R3を速くしたいと思ったとき最初に買うべきものは?」という質問をしたのですが、答えは「ビンディングペダル」でした。


追記2:引き上げる動作はトルクはほとんどかかっておらず、引き上げることにより、反対側の足の踏み込む力がロスしない(引き上げなければ、ペダルにのっかってる重量物になる)ので、それで効率が良くなるそうです。


参考:引き足の意義と誤解 – Road in New York


参考:

ペダリングで引き足は必要?−じてトレ

ペダリングは単純な動きのように見えてかなり奥が深い技術です。そのペダリングの中に「引き足」という動きがあるのを聞いたことがあるでしょうか?


竹谷さんの本にもそのあたり詳しく書いてあります。



(須貝弦)









須貝 弦

1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。印刷製版会社営業アシスタント、DTP雑誌編集者、コールセンター勤務等を経て、フリーランスのライター&編集者へ。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業内Webサイト、企業ブログ、メールマガジン等の制作にも携わる。2009年より、自転車ブログメディア「CyclingEX」を運営。須貝 弦(Gen SUGAI)のGoogle+はこちらです

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